Rグレードとは
鉄骨製作工場認定制度によって、鉄骨を製作する工場は5つのグレードに分けられています。工場が所有する製作能力や設備、資格保有者の人数などによって取得できるグレードは異なります。上から順にSグレード・Hグレード・Mグレード・Rグレード・Jグレードの5段階に分類されます。
もちろん、これらのグレードを所持していなくても鉄骨の建物を製作することは可能です。要はグレードの有無で信用度の有無が測れるという程度に考えて貰えたら良いと思います。
ただし、グレードが高いからと言って製品の品質が高くなるかと言えば、内容としては同じ「鉄骨工事標準仕様書(JASS6)」に基づいて鉄骨を製作しているので、ここで詳しくは書きませんが同じ製品であればグレードの上下関係なく品質は同じと考えて頂けたらと思います。
弊社が取得しているRグレードの認定工場では、大まかに言うと5階建て、延べ床面積3,000㎡以内の鉄骨を製作することが可能な資格を有しています。
これを超える物件についてお声かけを頂いた場合、よほどの大型物件ではない限りは書類などについて制度上、問題が出ないようにMグレードの協力会社に助力して頂き共同で製作、管理していくことになります。形としては弊社は協力会社の管理の元で工場での製作を進めていく形になります。
グレードの審査について
グレードの審査には、国土交通大臣の認可を得た評価基準に基づき評価が行われます。評価を行うのは、株式会社全国鉄骨評価機構(JSAO)、株式会社日本鉄骨評価センター(国土交通大臣指定性能評価機関)という2つの専門の機関になります。
各5つのグレード共に、認定期間は5年であり管理体制に変更があった場合、これら認定工場は、鉄骨製作工場性能評価機関へ 管理技術者等の状況の定期報告、変更届の提出を義務付けられ、届け出が無い場合は認定の取り消し等の所分を受けることになります。(2026年4月~)
グレード審査の内容について
審査の内容は、大まかには「書類審査」「工場審査(管理体制の実地確認)」「工場審査(製品・書類等による品質管理の実地確認)」3つになります。
書類審査は大きく分けて下記の5つになります
1-品質管理体制(有資格者の人数、各管理者の役割、製作工程図と、各管理者が工程毎にどの役割を果たしているか等確認)
2-社内基準の整備(工作基準・検査基準・外注管理基準の有無)
3-製造設備の有無(鋸盤、溶接機、クレーン、天井クレーンなど鉄骨製作に必要な機器が揃っているか)
4-検査設備の有無(鉄骨の組立精度を検査する器具や、溶接の温度管理を行うための表面温度計など)
5-製作実績リスト(完全溶け込み溶接を行う部材を使って、品質管理が必要な重量鉄骨を一年以内に行っているか)
工場審査(書類などによる管理体制の確認)
工場審査は、2名の学識経験者などから選出された評価員によって行われます。管理体制の確認については初めてグレードを取得する場合でもない限り特に難しいことはありません。
- 管理者、技術者が正社員であるかどうかの確認(必要な資格が無いため、他社から資格者を借りてくるのを防止するため)
- 書類審査で提出した社内基準の内容に不備がないか、現在の基準と適合しているかの確認
- 工作図の品質管理に問題がないか(きちんと管理者の元でチェック、訂正等が行われているかどうか)
工場審査(製品・書類等による品質管理の実地確認)
実地確認についてはかなり厳しく、具体的に書類や製品が適切に管理され、充分な品質の製品が製作出来うる状況かどうかを審査されます。
- 主要材料の品質管理(発注書、ミルシート、実際の材料、溶接材料が取り違えないように適切に工場内で管理されているか)
- 加工の品質管理(鋼材の取り違えが無いように識別され、図面に基づき、適切な加工、状態で加工されているか)
- 組立ての品質管理(適切な図面を基に、寸法、ずれ、溶接金物の取付方法、溶接などが適切か、適切にチェックされているか)
- 溶接の品質管理(溶接の品質が適切に保たれるような管理マニュアルが、状況ごとにされているかどうか)
- 製品の検査(管理記録の作成・保管の確認、基準の確認)
- 製造設備・検査設備の確認(書類審査で申請した設備等の有無を確認)
- 社内教育の方法(品質管理を継続していくための、社内教育、共有が適切にされているかどうか、またその内容について)
これらの審査を経て、一定の基準を満たした品質管理がなされ、適切な製品を製作できる工場と評価されることによりグレード認定されます。
グレードの必要性について
ここまで読んで下さった方には、最初に「グレードの有無で信用度の有無が測れる」と書いたことをいくらか理解して頂けたでしょうか?
内容的には、これだけの審査がありますよ。という内容ですが、これだけの品質管理を継続していくのはどのグレードにおいても簡単ではありません。
最上位のSグレードやHグレードの認定工場においては、特殊な鋼材や極厚の鉄板を用いた公共的な建造物などを作る技術や有資格者、施設、設備機器が必要となってきます。当然、信用度や高い技術力や管理能力が求められます。
ただ、グレードを持つ以上は使用材料や加工可能な板厚の違いこそあれ、同じ建造物である限り高い品質で製作できる点で同じだと思っています。
弊社の所持するRグレードの認定工場においても、上記の審査を経て国土交通省によって評価されたグレードを取得した安心、安全な建物を製作できる工場だということをご理解頂けたら幸いです。

